
リア王 ~KING LEAR~
2022.8.3.Wed. - 8.7.Sun エルパーク仙台ギャラリーホール

■台本・演出 / 宮島春彦
■原作 / シェイクスピア
■総指揮 / 渡部ギュウ
在仙俳優たちが、シェイクスピアの最高傑作に挑む!
リア王を渡部ギュウが、王の三人の娘を在仙俳優がダブルキャストで上演します。
イギリスの劇作家シェイクスピアの悲劇(5幕)。
1605年頃執筆。
古代ブリテン(2000年ぐらい前のイギリス)が舞台。
リアは 80歳をこえ,国を3人の娘に分配する決意をする。
長女ゴネリルと次女リーガンは言葉巧みに父への愛を表明するが,末娘コーディリアは控え目に答えるだけである。怒ったリアは2人の姉娘に領土を与え,末娘を勘当する。
しかし姉娘たちはリアを虐待し,狂乱した彼は嵐の荒野をさまよう。
一方,フランス王と結婚したコーディリアはこれを知り,軍を起して父を救おうとするが,逆に捕えられて殺される。人間の権力への過信,忘恩,正気と狂気,仮象と真実などの問題が,主筋と副筋との緊密な交錯のなかで展開される壮大な物語。

渡部ギュウの覚悟
俳優ならば誰もが自身の年齢に合わせて挑戦したいのが、シェイクスピアの“4大悲劇”だろう。20代で「ハムレット」、30代で「マクベス」、40代ならば「オセロ」、そして壮大なスケールで描かれた「リア王」にわたしはいつ挑戦すべきか!情念の演劇が好きだ。ギリシャ悲劇やシェイクスピア作品などの古典劇には、マグマのような人間の情念が溢れている。そして、激しい葛藤がそこにある。
3年前に「権力への抵抗」を命題とした「ハムレット」を、現代的にリライトして“引きこもりのハムレット”なるものを、宮島春彦氏と構想した。脂ののった原西忠佑君がハムレットをグダグダと演じたら面白いんじゃないか…
ところが、昨今の大国と言われている国々のドタバタ、独裁者の君臨、新型コロナと激闘、古き日本の政治、その世代交代の意義等々、より現代性を孕む「リア王」に興味が移った(原西君ごめん、ハムレットはいずれやりましょう)。
今回の命題は、この『リア王』を古典劇ではなく現代演劇として上演しようとするものだ。宮島の構成力と役者陣の演技力のみで、シンプルに表現したい。こんな強い覚悟で今回の上演を決めた。

ちょっと解説
物語の主筋は、リア王と3人の娘たちとの「愛情ゲーム」と「領地の分割」の話。
リアには息子がいない。妻にも先立たれている。
リアは娘たちを誰一人として「嫁になんか出したくない」のだ。お婿さんを探して、リア家直系の王国を堅持したいらしい(ギュウ勝手な解釈)。
ところが長女と次女は、王座を離れたリアを虐待。まさに“親捨て”。あくどい嘘と裏切り。彼女らの行動は今の特権階級の世継ぎ問題にも見えて来る。このひどい長女、次女はリアの家臣グロスターの次男(妾の子)エドマンドによる色仕掛けで、その権力闘争に拍車がかかるというサスペンス仕立て。飛び交う密使、激しい暴行。この副筋もかなり現代的です。
そして両目を潰されたグロスターが、実の子エドガーと荒野で再会して和解する親子の人情劇。その他にも変装したリアの家臣ケントの奮闘。リアの影法師的存在の道化(阿呆)の戯言と不可解な死。リアの三女コーディリアとの死別—などなど、ドラマチックなシーンがびっしり詰まっている。
さらには、今回最大の見どころとして、原作にはない民衆「貧民たち」の登場だ!
この物語をしっかりと現代に繋ぎます。幕切れでは独裁からの脱却、民主の力の再確認を強いメッセージで提示します。

宮島春彦先生のこと
台本製作にまる一年以上を費やしていただいた宮島春彦氏の情熱に感謝するばかりだ。原文を尊重しつつ、相当リライトされて、新しい作品として生まれ変わっている。
2022年の夏、この作品に仙台演劇界あげて取り組み、やり遂げることで、宮島氏への仙台からの返歌としたい。
宮島氏の略歴
東大在学中に創成期の劇団四季に入団。
演出・企画・仏語翻訳。制作部長など劇団運営の様々な分野を担当。
80年にフリーになって以後、ストレートプレイ、ミュージカル、オペラ、レビュー、テーマパークや博覧会のショウなど幅広い分野で活躍。近年は富山・新潟県の地方都市での台本・演出に精力を注ぐ。
仙台では、2014年「十二人の怒れる男」を翻訳(2018年に同作を演出。文化庁芸術祭にて優秀賞受賞)。
2021年「貧民街の善人」台本をYONEZAWA GYU OFFICE主催公演に提供。
東京、そして地域演劇にも力を降り注いできた。素晴らしい大先輩だ。
STAFF
総指揮:渡部ギュウ|翻訳・台本・演出:宮島春彦|劇中曲/ロジャー大葉|舞台監督:佐藤公(あやしげ商会)|舞台美術:松浦良樹
照明:松崎太郎(アトリエ・ミセイ)|音響:本儀拓(キーウィ サウンドワークス)|小道具:高橋舞|衣装:及川恵・村島淑子
情宣デザイン:岩谷淳子(終日舎)|記録映像・配信:阿部丹吾(タンゴチャンネル)| 宣伝写真:小田島万里|メイク指導:米田裕子
制作部:剛蔵・千葉里子・ 前田成貴|演出部:鈴木大典・米山陸|受付:高橋菜穂子(オフィスおりん)|主催・企画:(一社)東北えびす
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協力:KOMO BASE sendai / 大人のための朗読・演劇クラブ / ㈱石黒建築工房 / 赤井優也(mihaeru Flower&Art gallery)
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入場・観覧時には必ずマスクの着用をお願いいたします。
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